「自粛需要のあおり」から「自力での需要獲得」への転換。

2020年5月18日皆さん、こんばんは!

今日はかなり強い雨が降りましたね〜。

台風並みの雨でしたね。

これだけ強い雨が降るのはこれからの季節特有の気象現象です。

その季節は確実に夏に向かっている感がありますが、私たちが身を置く経済界はなかなか

先に進むことができず、今夏の状況でさえも見通すことができません。

「医療崩壊」と言う言葉が政治家やメディアでも飛び交っていますが、「経済崩壊」も同時に

進行している現在だと言えます。

この後の経済に影響を与えるであろう社会の変動として私が着目していることは、民間企業が

支給する「夏のボーナス」の支給額が急減することです。これがまた経済界の減速を加速する

ことにつながることは間違いありません。

以前このブログで

「人の1日当たりの食事回数は、感染騒動後も1日3回で変わっていない」

ということをここで述べました。

食事は1日3回×1週間7日×年間52週間=年間1,092食

これだけの「食事市場」は確かに存在しています。

この1,092食に現在の日本国内にいる人数で掛け算すると国内の市場規模感が見えて

きます。

食事回数に変化がない、とは言え不安定要素があるとすれば

「外国人観光客が急減している」

「少子高齢化に伴う人口減少」

が挙げられます。この2つは国内で食事をする人間の数に影響する数値です。しかしながら、

これから当面増える見込みがないことは皆さんもご存知の事実です。

さてこの後、訪れるのはかなり強烈な「外食不況」です。

単純な話し、手元のお金が少なくなるわけですから外食に出かける人は少なくなります。

実はスーパーマーケットではその現象が起き始めています。

 

スーパーマーケット販売統計調査2020年3月度の実績は次のようになっています。

 

1、総売上高 前年同月比 108.8%

2、青果・水産・畜産 3部門 売上高 前年同月比 109.1%

3、惣菜部門 売上高 前年同月比 100.6%

4、日配部門 売上高 前年同月比 107.9%

5、一般食品部門 売上高 前年同月比 107.7%

 

※一般社団法人日本スーパーマーケット協会など業界3団体調査

http://www.jsa-net.gr.jp/report.php

※全国スーパーマーケット270社調べ。

※日配とは「牛乳、乳製品、豆腐、納豆、漬物、練り物」など

一般食品とは「醤油、味噌、油、調味料、乾麺、菓子」など

 

惣菜部門だけ前年同月比の対比が低い数字を記録しています。

これは2つの理由があります。

それは、、

「感染症拡大防止のため量り売りやバラ売りをやめて個別包装をしたため

見た目の出来立て感や美味しさ感が失われたこと」

「節約志向となり惣菜を選択するより生鮮食料品や一般食品を購入し、自宅で

料理をする場面が増えたこと」

と予想されています。

1番目の理由は「料理が持つ雰囲気が伝わらなくなったこと」であり、2番目は

「経済的事情による現実志向に傾いたこと」がその本質に横たわっています。

今、飲食店で食事をするためには、

「スタッフもお客様もお互いにマスク着用」

「スタッフもお客様も手洗い・手指の消毒を行うこと」

「対面で座ることを避けること」

「少人数での食事にすること」

「人と人の距離を空けること」

「おしゃべりはせず、食べることに集中すること」

「お酌はしないこと」

「店内滞在は短時間にすること」

などが求められています。

これらは「料理と食事の美味しそう感を阻害する要因」となります。

そして、前述の「夏のボーナス支給額の減額」により、「節約志向」が一段と

強まる今夏とそれ以降となります。

結論、、

今月5月までは緊急事態宣言・休業要請・行動自粛が続いた影響から派生した

「自粛のあおりから生まれた需要」であって、スーパーマーケットの業績好調も

飲食店のテイクアウト活況も「必要に迫られた需要」であったため、一時的な需要

と考えるのが妥当です。

6月以降は各種制限が一定緩和される可能性があります。するとある程度の自由行動の

中で消費者は選択肢が増えることになります。かつ、全体に横たわるのは「不況」です。

その中でいかに需要を喚起し、需要をどう掴むか、、が勝負となります。

制限の緩和は「元に戻る」を意味しているわけではありません。

制限の緩和を契機に「前(元)はしていなかったことを始めて、次に進む」必要があります。

明確なのは、テーブルと椅子を並べてお客様を迎える商いは当面の間、相当難しく厳しくなります。

(人を集める商いも同様です。イベント、ある程度の規模のある商業施設も同様です。)

その前提で商いのあり方を考えて実践するのが、今私たち食に携わる者に求められていること

となります。