2020年4月24日(金)皆さん、こんばんは!
今日は「お酒のテイクアウト」について話題を提供します。
まずは、新型コロナウィルス感染症に対する国税庁の対応についてから情報を
引用します。
これまではお酒の持ち帰り販売は「販売許可」を受けたいわゆる酒販店のみ
許可されてきました。スーパーマーケットやお酒の小売店などがそれに該当
します。
今月4月9日に国税庁酒税課から報道発表がありましたのは、居酒屋やレストラン
など飲食店でこれまでお酒を店内で飲む用途として提供してきたお店には
期限付きでお酒の持ち帰り用(テイクアウト)」販売を許可する、というものです。
※詳細は国税庁のホームページ記載の情報を確認してください。
「新型コロナウィルス感染症に関する対応等について」
https://www.nta.go.jp/taxes/sake/kansensho/index.htm
「在庫酒類の持ち帰り用販売等をしたい料飲店等の方へ」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/pdf/0020004-036_02.pdf
申請にあたって一番重要なのは、
1、申請期限が令和2年6月30日(火)まで。
2、今までに仕入れたお酒の在庫、もしくは仕入れてきた取引先からの仕入れる
お酒に限定する。
この2点です。
今回の対応措置の中身については国税庁のホームページで確認いただくとして、
私からポイントを2つ紹介します。
前提として「テイクアウトするお酒と酒販店で販売しているお酒との差別化を図ること」を
のテーマとします。
そして、テイクアウトをするのは高知を代表するお酒「土佐酒」(日本酒)で考えます。
1、オリジナルラベルでボトルを作る。
こうすることよって、お店独自の土佐酒を作ることができます。
例えば同じ蔵元の同じ純米吟醸酒はスーパーマーケットなど酒販店で販売して
いますが、ラベルを変えることでオリジナル酒になります。
現在の在庫の中でまだラベルシールを貼っていない土佐酒をそうしてもらうか、
ひやおろし・秋あがりをそうするか、、
蔵元さんと相談です。
2、酒米と酵母の組み合わせをオリジナル化する。
これから夏仕込みのお酒を作る蔵元さんが県内にいます。
新酒ができるのは今年の秋です。
その蔵元さんを見つけて、オリジナルのフレーバー(味わい)のお酒を作って
もらうのです。
ただしほとんどの蔵元さんは冬仕込みの土佐酒、つまり11月の後半頃から年始
1月頃に掛けて仕込んで、3月頃にリリース(発売)する新酒が多いので、
夏仕込みはなかなか出会えないかもしれません。でも、ゼロではありません。
冬仕込みのお酒が本当は理想的なのですが、今回の国税庁の許可が「免許日
(許可を受けた日)から6ヶ月」と時限されているため、来春のお酒はテイクアウト
することができない条件となっています。ただし今は、、※
(※私の勘ですが、この時限は延長されそうな予感があります。
あくまでも予感ですので、アテにはなりません。笑)
蔵元さんあるいはお酒の卸業者さんとの協議を始めると必ず出る課題として
「ロット」(最低製造本数=最小買取本数)があります。
「作ることができるけど、何本(何リットル)買ってくれますか?」
という検討事項です。
瓶のサイズ(一升瓶、720mlなど)も事前確認が必要です。
ここはしっかりと話し合って、取り決め事項を確認してください。
決めたことは文書など文字にして記録しておくことをお勧めします。
蔵元さんと呼吸を合わせて、この課題を乗り越えることができれば秋には
その飲食店さんならではの味わいの土佐酒をテイクアウト提供することが
できると思います。
いかがでしょうか?
この2点をアドバイスとして提案します。
細かいところで少し実際と異なっていることもあろうかと思います。
が、まずは蔵元さんや卸業者さんとの情報交換、話し合いからスタートです。
この考え方は、その他のお酒にも当てはまります。
※ここまで書いたアドバイスは蔵元さんの意向は確認していません。
が、私の経験で言えることが2つあります。
・飲食店さんの営業自粛に伴ってお酒の飲食店での消費が急減して、
卸業者さんも蔵元さんも倉庫に出荷できないお酒が眠っている
可能性が高いはず。
・昨年2019年の1月に私は香美市土佐山田町の「松尾酒造」さんで
土佐酒作りを「酒米を蒸す・酒米に麹菌をつける・ボトルにラベルを貼る」
を私が企画をして参加者を招いて体験イベントを開催しました。
その経験から、蔵元さんとオリジナル酒を作るイメージは出来て
います。あとは蔵元さんが「松尾酒造」さんのようにやる気になる
かどうか、、です。
高知県内全ての蔵元さんに共通していることではないかもしれませんが、
まずは飲食店さんが日頃取り扱っている蔵元さんや卸業者さんに相談して
見るところからがこの企画のスタートだと思います。
蔵元さんももしそんな相談がきたら、柔軟にその相談に乗って上げて欲しい
ですね。
人は「限定」と「権威」に惹かれます。
「限定」とはその言葉どおり「数量限定」「夏季限定」「当店限定」ですね。
今しか買えない、ここでしか買えない、こういう言葉に弱くて惹かれます。
そして「権威」というのは、「コンテストで受賞した」「鑑評会で評価を受けた」
「研究機関が評価した・認めた」の類のものです。
今回は前記の「限定」のスイッチをお酒にくっつけるわけです。
この感染症騒動は、私たちの変化・変革のきっかけでもあります。
緊急事態に非常事態ですから、私たちも物事を逆立ちして見る、もしくは
裏の裏を見るぐらいの柔軟性やバイタリティを持って考える必要があります。
コンサルタントを生業としている私の頭の中はいつもそんな考え方をして
世の中を見ています。
飲食店の皆さんの中でお酒のテイクアウトを検討中の方がいらっしゃって、
この考え方が参考になるようでしたら幸いに思います。
なお、正確な情報は国税庁の地域部署である高松国税局管轄の高知県内
各税務署にて確認してください。