2021年9月5日(日)皆さん、こんにちは!
ちょっと前から気になっていた丸亀製麺の「うどん弁当」。
テレビCMを観た時から「これって弁当ちゃうやん!」って突っ込み入れてました。笑
皆さんはどう思います?
うどんの持ち帰り(テイクアウト)を「うどん弁当」と呼ぶ、
それはアリか?ナシか?
いよいよ今日、それを検証します。
では、まず実物をご覧ください。
メニューは「3種の天ぷらと定番おかずのうどん弁当」(税込510円)です。
中身はえびの天ぷら、ちくわ磯部天、野菜天、たまご焼き、きんぴらごぼうに
冷たいぶっかけうどんです。出汁は袋に入って同封されています。
さて、ご飯は・・?
弁当はご飯が入っているものじゃないの?
おそらくそう思ってこれを買うとハズします。
そうです、「天ぷらのせぶっかけうどん」にきんぴらとたまご焼きをつけただけで
「弁当」と呼んでいるのです。もちろんご飯は入っていません。
あはは、これを「弁当」と呼べるのなら、「ハンバーガー弁当」や「ピザ弁当」
もいけそうです。笑 もっと言えば「アイスクリーム弁当」もいけたりして。笑
で、気になってそもそも「弁当の定義は何なのか?」をネットで調べてみました。
弁当とは・・
ウィキペディアによると
<携帯できるようにした食糧のこと>
とあります。
弁当の起源を遡ると平安時代にその記録があるようです。
当初は炊いたご飯を握った「おにぎり」や、「炊いたあとに干した米」などを携帯用の
食糧としていたようです。その後、食生活の充実に伴ってご飯に「おかず」がつくように
なってそれが弁当を構成するようになったようです。
日本の食の歴史上はその後、江戸時代を経て明治以降も「ご飯とおかず」の組み合わせで
「弁当」が成り立ってきました。
ご飯のスタイルは「炊いた白米」「握った白米=おにぎり」「赤飯」など様々ですが、
日本における弁当はこの「ご飯とおかず」で構成されているものが食文化の中心に
います。そういう価値観の中にあると前記の「うどん弁当」の発想は出てきません。
実際に今日、丸亀製麺の「うどん弁当」を食べてみての感想は・・
ズバリ!
「うどんと出汁の味は美味しい。でもこれを弁当と呼ぶには無理がある。笑」
ですね。
うーん、これが弁当かぁ、、というもやもや感が残ります。
でも、コロナで苦しい思いをする丸亀製麺の起死回生の一打として考案されたこの
「うどん弁当」は、今まで誰も思いつかなかった「○○弁当マーケティング」として
注目したいところです。
食はその時代の特性や人々の嗜好に合わせて柔軟に変化していくものですし、こうで
なければならない、というものでもありません。どんどん変化、進化するものです。
この「○○弁当」の意味は、およそ弁当のイメージとは遠いものを「弁当」と呼んで宣伝し、
その意外性で人の注目を集める、という仕掛けでメニュー開発を考えてみるというもの
です。
その視点で発想を広げると次のものも弁当と言えてしまうのではないでしょうか。
ハンバーガー弁当、ピザ弁当、スパゲティ弁当、パン弁当などなど。
ご飯を外す、もしくは入れない、ご飯とは普通食べ合わせないメニューに「弁当」の文字を
つけて発売するわけです。
実際、丸亀製麺のメニューもご飯を入れていない以外の工夫は見られません。
もちろん持ち帰ってツルツルの喉越しの麺であることなどテイクアウトとしての試行錯誤
はあるのでしょうけども、弁当という呼称で呼ぶための特段の工夫は見られません。
単純にご飯を入れていない、だけです。
この丸亀製麺流発想を応用して「持ち帰りを弁当と呼ぶ」という前提を基にメニューを
開発してみる、これはこれからの飲食店のメニュー開発テーマになりますね〜。
あと、ひとつ丸亀製麺は地方の飲食店にはできない圧倒的な宣伝費用を投入して、テレビCM
を全国に投下しました。地方の飲食店がこれに対抗する、あるいは同じような効果を期待
できる広報をするには何をすれば、、についても思案するポイントとして楽しいところです。
メニュー開発の楽しさはこういったところにありますよね。
私がハンバーガー屋さんを営んでいたら、バーガーセットと呼ぶのはやめて「バーガー弁当」
にするかな。「ハンバーガーが弁当になった、これ日本初!」とか、県内初などの触れ込み
もつけて、、♫